——— 創業当時から一緒のお三方へ質問です。我が社に入社したきっかけは何ですか?
河野
1970年頃の日本において、大阪万博開催など日本経済の発展に伴い、企業活動の活性化、公共事業の拡大、住宅建設の増加に伴い測量業の需要が高まっていたこともあり、私は直方の高等学校当時から測量の部活動に携わることで測量の基礎を学び、専門学校を経て、20歳から測量業に従事していました。そんな中、先々代の代表取締役から建築・土木・宅地造成に関わる測量業務全般に担うための会社を設立するという話を伺い、昭和60年(1985年)の創業当時から我が社に従事しています。創業当時は4人で仕事していたんだよ。
その後、代表取締役に就任するにあたり、新たな挑戦として建築士事務所としても事業展開したいと思い、人材募集おこなった。そこで石松さんを紹介してもらったんだよな。
石松
そうでしたね。私は二級建築士資格を取得し就職先を探していたところに、直方に測量業と建築士事務所がある事を知人から聞き、我が社へ就職することを決意しましたよ。そんな中、測量業が活性化している中で更なる業務拡大・対応力強化を図るため、人材募集をしていた中で、末繁さんが飛び込みで面接の電話をかけてきて、話を聞いてみると、既に会社の前に来ていたことには驚きましたね(笑)
末繁
私も創業当時の事務所を見たときは、倉庫みたいな事務所で驚きました。でも河野社長と石松さんに突然の訪問にもかかわらず対応いただいたことに感謝しています。
私の入社きっかけは、大学生時代の専攻が地理学科であり、都市計画・街づくりや自然環境について学び、当時の測量学についても実習を行っていた経験があった。他業種にも就職していましたが、街づくりを支える測量業に学生頃から興味があり、地元の発展に貢献したいという思いから就職先を探していたところ、偶然にも我が社があることを知ったことで、是非とも入社したいと思い飛び込みで電話をかけ…あれから早30年、我が社に従事しておりますよ(笑)
入社当時は、パソコンがまだまだ普及しておらず、ワープロと手書きの製図、測量計算も手計算の時代があって、懐かしく思います。
河野
創業から約40年に亘り、このように会社を継続できているのも、様々な人の縁や、社員それぞれの努力、社会や測量技術の急激な変化に俊敏に対応し、お客様へ誠意をもって対応してこれたことが、我が社の根底にあったからで、創業当時からの2人には感謝してもしきれないと思っています。
——— これからの業界を支える次世代へ向けて、大事にしなければならないことはなんでしょうか?
末繁
どんな仕事でも目標を持ち、柔軟性と謙虚さを持つことが大切だと思います。
測量や開発設計においてお客様と話をして決定することは当然ですが、一つの生活基盤を創る街づくりをするためには、公的機関や施工会社・地元住民など多様な部署、年齢、業種、権利者の方との話をして合意形成をする能力が求められます。
そのためには、自分自身の核となるモノを保持することが大切です。技術力はもちろんのこと、語彙力と変化する社会的基礎知識も必要となるため、情報アンテナを常に延ばして研鑚し続けなければならない。但し、自分自身の得意分野を出し過ぎると相手が身構え、話が進まないこともあるから、相手の立場や状況等にベクトルを置きながら耳を傾け情報を引き出せる能力も大切にして欲しいですね。
石松
そうですね。多くのアンテナをもつことは大事だと私も思います。去年の常識は、来年の非常識となる変化が速い時代であることはいえると思います。私たちの常識も、次世代にとっては非常識と捉えられることもある。それは生まれた時代が違い、育ち方や環境も違うから仕方ないことかもしれないですよね。そういった多様性の時代に合わせつつ、仕事は楽しくあるべきと私は考えてて、古い時代の考え方を押し付けるばかりでなく、次世代社員を尊重してアドバイスすることに私は重点をおいて仕事をしてますよ。
とはいえ、様々な要望に応じる弊社コンサルタント業として、多くの関係機関・部署との連携や情報共有することが重要です。報・連・相はいつの時代も大切にすべきことであると思いますね。
末繁
年長者の役割は会社の潤滑油として立ち回り、若い世代のやりたい事に重点をおいて助言や指導する方が、会社としても社会としても生き生きと仕事を楽しくできると私も考えてます。
河野
従来、測量業は一人だけでできるものではなく、自分以外の人と必ず連携しないと仕事ができないため、チームワーク力を如何に高く保つかが重要だと考えています。
昨今の急速な社会・国際情勢、地球環境の激変は、業界全体に影響を及ぼし高度化への変革が急務となっていることは明らかです。そんな多様化する時代の中で、自発的に資格取得や、講習会等で知識を深化させてくれる次世代社員を今後も会社として応援・尊重する姿勢は今後も維持していきたいと思っています。
測量業は「その他のサービス業」という業種区分となる性質上、お客様へ満足していただくコンサルタントサービスとして質の高い技術力・情報力・交渉力・課題解決力を磨き続けることを、大事にして欲しいと思います。