
必要なスキル・資格と、業界動向をわかりやすく解説!
― 社会を支える“かたち”をつくる仕事 ―
私たちが毎日使っている道路、橋、トンネル、ダム、水道、下水道などの社会インフラ設備。
土木設計は、その社会インフラを「かたち」にする仕事です。安全性・耐久性を確保しつつ、地域や人々の暮らしを支える街づくりの分野です。
「地図に残る仕事がしたい」
「人の役に立つ仕事がしたい」
そんな想いを持っている方にとって、土木設計はとても魅力的なフィールドです。
本記事では、土木設計の仕事とは何か、求められるスキルや資格、将来性について、わかりやすくご紹介します。
◆ 土木設計ってどんな仕事?
土木設計は、測量、地質の調査から始まり、道路やダムなどのインフラ構造物を設計する仕事です。インフラ構造物は大規模なものが多い為、自分が設計したモノが地図にわかりやすく残ります。またインフラ構造物はライフラインを支えているため、長い期間修復しながら使用させるので後世まで残る可能性が高い構造物でもあります。
他の職業ではなかなか味わえない、後世まで残るスケールの大きい仕事に携わることが土木設計のやりがいと言えます。
また構造設計、施工計画の立案、コスト・安全管理までを一貫して行う仕事です。国や自治体による公共事業だけでなく、民間企業による開発プロジェクトにも関わる機会もあります。単に「設計図」を描くだけでなく、プロジェクト全体を設計目線からリードし、コンサルティングする役割も担います。




◆ 土木設計の仕事内容
土木設計の仕事は、次のようなステップで進められます。
- 設計計画
測量や地質調査結果等から得た情報を基に、目的や周辺環境を分析し、設計全体像や設計条件について3次元的なイメージを構想します。 - 構造設計
インフラ設備毎の設計基準に準拠した方法で設計計算を実施し、工法比較選定、施工性、経済性、安全性をシミュレーションします。 - 施工計画の立案
工事手順・工法・使用資材を設計者の視点で最適化します。 - 図面作成
CADを使って詳細な設計図を作成します。 - 数量計算
設計図面から工事発注に必要な数量計算書(土工や構造物延長等を一覧に整理・統合した一覧表)を作成します。

◆ 土木設計に向いている人は?
土木設計は、次のような資質を持った方に特に向いています。
- モノづくりが好きな人
構想から完成まで関われる、自分の仕事がカタチとして見える、達成感や充実感を得られる仕事です。 - 論理的思考が得意な人
構造や安全性を理論で考え、事実を明確にして判断する力が必要です。 - チームワークを大切にする人
設計は、様々な分野の人々と共にチームで遂行します。一人では完結できません。関係者やチームとの連携が不可欠です。 - 成長意欲のある人
設計業界では、BIMやCIMといった技術が日々進化しており、法改正も頻繁に行われます。そのため、常に学び続け、知識と経験に基づいてスキルを高めていく姿勢が求められます。
◆ 必要なスキルは?
- 技術力・専門知識
測量、地質、構造、水理、CAD/BIM操作など、基礎から応用まで幅広い業務に対応します。これらの知識がなくても、基準書などを読み解く力があれば問題ありません。 - プレゼン・コミュニケーション能力
設計意図を的確に伝え、関係者との調整を円滑に進めるコミュニケーション力。 - 問題解決力と判断力
複雑な現場条件等を整理して判断を行い、最適解を導き出す力。 - マネジメント力
工程・コスト・品質の全体管理を担うリーダーシップ。 - スケジュール管理が得意な人
土木設計は長期間に渡るプロジェクトです。各フェーズの締切りが明確に決まっている為、徹底したスケジュール管理が必要になります。普段から締切日を逆算して行動できる力は武器になります。

◆ 取得しておきたい資格
資格は実力を証明する武器となり、信頼や業務の幅を大きく広げてくれます。
公共事業が中心となる為、安定して専門性を活かし続けられます。
- 技術士(建設部門)
土木分野で最上位の国家資格。社会的信頼が高く、管理技術者や責任者としての登用も期待されます。 - RCCM(シビルコンサルティングマネージャ)
実務経験を積んだ設計技術者向け。公共インフラ設計の第一線で評価されます。 - 土木設計技士
実践的な設計スキルを認定する資格。業務に即した技術力を証明できます。 - 土木施工管理技士(一級・二級)
設計と施工の橋渡し役としても活躍できます。現場管理スキルの証明になります。 - 測量士・測量士補
設計の基礎となる測量スキルを証明する国家資格です。
◆ これからの将来性
現在、建設業界では「i-Construction 2.0」の取り組みが加速し、設計から施工・維持管理までを3Dでつなぐ、BIM/CIM(Building/Construction Information Modeling)の導入が急拡大しています。今後は「図面を描く人」ではなく、「プロジェクト全体をマネジメントする人材」が求められます。
つまり、次世代の土木設計者には、デジタル技術と実務力を融合させる力が不可欠です。
インフラエンジニアは社会にとっても必要不可欠な存在である為、仕事がなくなることはありません。また老朽化が進んでいるインフラ構造物も多く、構造物の更新や修復も増えていくことが予想される為、今後も土木設計の需要は高まる一方です。
私たち、マサキ測量設計は、未来の子供たちが安心して暮らせる社会の実現を目指し、日々精進して参ります。
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