今年3月25日に地元直方市にも路線がある平成筑豊鉄道の大きなニュースが流れました。沿線各自治体で構成する地域公共交通協議会において、鉄道を廃止し、バスへと転換するとのことです。
廃止の日程はまだわかりませんが、地元でありながらまだ一度も乗ったことのないこの「へいちく」に乗ってみることにしました。
ゴールデンウイークのとある日、西の起点の直方駅。

1両のみのディーゼル車が迎えてくれました。
きっぷはお得な「へいちくてつフリーきっぷ」を購入。スタート時刻から24時間有効です。

ふと見上げると吊り革がピンクのハート。この車両ではこの1つのようです。
乗客の多くは廃止のニュースを聞きつけた「乗り鉄」、「撮り鉄」さんたちのようです。
小学生から初老まで幅広い世代で同じ行動がユーモラス。
立ったり座ったり、あちらでこちらで首から下げたカメラでパチリ。動画撮影の人もチラホラ。
これらの行動は「鉄分を補給」しているとのことです。何が「鉄分」かは不明です。
日本って平和だ。
これから伊田線で田川方面に進みます。
この鉄道は明治時代から筑豊炭田一帯の石炭と田川地区の石灰石の輸送のために尽くしてきましたが、現在その両方が撤退しています。旅客輸送のみでは経営が成り立たないことから廃止が決まりました。
途中の金田駅。れすとらん列車「ことこと列車」に遭遇。
地元の食材を使った食事を嗜みながらの優雅なゆっくりした時間が満喫できるようです。
廃止までには一度食べてみたいです。

伊田線を進み列車は田川市に向かいます。
市の中心駅の田川伊田駅に到着。
徒歩10分程度に石炭資料館があります。筑豊地域は石炭の採掘で栄えた経緯から各地に同様の資料館があります。先月の投稿が直方の資料館だったのでここでは割愛します。
なお、写真の2本煙突は炭坑節の題材となったとされる三井田川炭鉱の煙突です。
また、田川市の防災・時報のチャイムは炭坑節のようです。

田川市を含む遠賀川・彦山川流域(これを川筋と言う)は各地で祭りが盛んです。田川市では川渡り神幸祭が有名。風治八幡宮の祭りで毎年5月中旬頃に開催されています。

田川市から行橋市までの田川線には途中に文化材に指定された土木構造物がいくつか残っています。
未来へ残すべき鉄道遺構ですが、廃線により荒廃しないか心配ですがここで1つ紹介しましょう。


内田三連橋梁です。登録有形文化財に指定されています。[H11.11.18 40-0011]
当時の技術者たちが120年後の今日まで幾度とあっただろう自然災害に耐えうる設計をおこなったことに脱帽。
伊田線の油須原駅に着きました。
ここの駅舎は開業当時から現存しています。つまり120年超ってことです。
九州最古の駅ながら文化財には指定されていないようです。
そのことからでしょうか、若干の改修などがされているみたいです。ちょっと残念。

もう1つ土木遺構を紹介します。
伊田線をさらに進むと九州最古の複線用トンネルの石坂トンネルにさしかかります。
これは登録有形文化財に指定されています。[H11.11.18 40-0012]
歩いて近づくことができないので車窓からアプローチ。「撮り鉄」さんたちは興味がないのか良いアングルで撮れました。


トンネルを出ると程なく終着駅の行橋に到着です。
途中下車しなければ約1時間半程度の小旅行。
次回は是非とも「ことこと列車」で、との思いを寄せながら直方まで後戻りして帰りました。
測量は広い意味では土木分野に含まれるでしょうか。
何かを建設、建築あるいは造成するために測量を行うことは必要不可欠です。
これは120年前と基本は今でも変わりません。
先人たちが残してくれた、更に後世へつなぐ土木構造物を見ると感慨深いものがあります。
この業界、礎となる部分はやはり「人」です。AIには譲れません。
測量って何だかカッコイイかも。
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